【専門家監修】更年期障害は何歳から始まる?知っておきたい初期症状とセルフチェック

更年期障害は一般的に40代後半から始まると言われていますが、実際には何歳から症状が現れるのか、またどのような初期サインに注意すべきか悩んでいる方も多いでしょう。本記事では産婦人科専門医の監修のもと、更年期障害の発症年齢や個人差、男女それぞれの特徴を解説します。さらに、ホットフラッシュや睡眠障害といった初期症状から自己チェック方法、他の疾患との見分け方まで詳しく紹介。更年期障害かもしれないと感じている方が適切な対処法を見つけるための情報をまとめました。

1. 更年期障害とは?基本的な理解

更年期障害は、女性ホルモンの急激な変化によって引き起こされる様々な心身の不調を指します。単なる加齢現象ではなく、医学的に対処すべき症状の集まりです。この章では更年期障害の基本的な理解を深めましょう。

1.1 更年期障害の定義

更年期障害とは、女性の更年期(閉経前後の時期)に起こるホルモンバランスの変化によって生じる様々な症状の総称です。エストロゲンを主とする女性ホルモンの減少が主な原因となります。

更年期障害は単なる一時的な不調ではなく、QOL(生活の質)を著しく低下させる可能性のある状態です。日本では約800万人の女性が何らかの形で更年期障害の症状を経験していると言われています。

分類 主な症状 特徴
血管運動神経症状 ホットフラッシュ、発汗、動悸 突然の発作的な症状が特徴
精神神経症状 イライラ、不安、抑うつ、不眠 日常生活に大きな影響を与える
身体症状 肩こり、頭痛、疲労感、関節痛 慢性的に続くことが多い

1.2 閉経との違い

更年期と閉経は混同されがちですが、明確な違いがあります。閉経とは「最後の月経」を指す一時点のできごとであり、12ヶ月間月経がない状態が続いた時に医学的に閉経と診断されます。

一方、更年期は閉経前後の約10年間の期間を指し、この期間中にホルモンバランスの変化による様々な症状が現れることがあります。つまり、更年期障害の症状は閉経の前から始まることも多いのです。

区分 更年期 閉経
定義 閉経前後の約10年間の期間 最後の月経から1年経過した時点
ホルモン状態 女性ホルモンが変動・減少する期間 卵巣機能が完全に停止した状態
時期的特徴 プロセス(期間) 一時点(イベント)

1.3 男性にも起こる更年期障害

更年期障害は女性特有の症状と思われがちですが、男性にも「男性更年期障害」(LOH症候群:加齢男性性腺機能低下症候群)が存在します。これは加齢に伴うテストステロン(男性ホルモン)の減少によって引き起こされます。

男性の場合、女性のような急激なホルモン低下はなく、緩やかに進行するため気づきにくいことが特徴です。男性更年期障害の主な症状には、疲労感、意欲低下、抑うつ気分、性機能の低下などがあります

男性更年期障害は40代後半から60代にかけて症状が現れることが多く、近年の研究では40代以上の男性の約2〜3割が何らかの症状を経験しているとされています。女性の更年期障害と同様に適切な対処が可能な状態です。

2. 更年期障害は何歳から始まるのか

更年期のハートマーク

更年期障害の発症年齢については多くの方が気にされる点です。実際に何歳から症状が現れ、どのくらいの期間続くのかを詳しく見ていきましょう。

2.1 女性の更年期の平均的な年齢

女性の更年期は一般的に40代後半から50代前半にかけて訪れます。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされており、更年期はその前後約10年間(45〜55歳頃)の期間を指します。

ただし、これはあくまで平均的な数値であり、個人差があることを理解しておくことが重要です。

時期区分 年齢目安 特徴
更年期前 〜45歳頃 月経は規則的だが、徐々にホルモンバランスの変化が始まる
更年期 45〜55歳頃 エストロゲン分泌が減少し、月経不順や様々な症状が現れる
閉経周辺期 閉経前後2年 月経の間隔が不規則になり、最終的に停止
閉経後 55歳頃〜 最後の月経から1年経過した時点で閉経と定義

2.2 更年期障害の発症年齢の個人差

更年期障害の始まりには大きな個人差があります。40代前半から症状が現れる方もいれば、50代半ばになってから症状が出始める方もいます。この個人差が生じる主な要因としては以下が挙げられます:

  • 遺伝的要因:母親や姉妹の更年期の時期・症状が参考になることがあります
  • 生活習慣:喫煙、運動不足、偏った食生活は早期の更年期症状と関連することがあります
  • 出産歴:出産経験や出産回数が影響する場合もあります
  • ストレス:長期的な強いストレスは更年期症状を早める、または悪化させる可能性があります

症状の強さにも個人差があり、ほとんど症状を感じない方から、日常生活に大きな支障をきたす方まで様々です。日本人女性の約25〜30%が何らかの更年期障害の症状を経験するといわれています。

2.3 早発閉経と更年期障害の関係

40歳未満で閉経を迎える状態を「早発閉経(早期閉経)」と呼びます。日本人女性の約1%がこの早発閉経を経験するとされています。

早発閉経の場合、通常よりも若い年齢で更年期障害の症状が現れることがあります。早発閉経の主な原因としては以下が考えられます:

  • 染色体異常
  • 自己免疫疾患
  • 卵巣への手術や放射線治療の影響
  • 家族歴(遺伝的要因)

早発閉経が疑われる場合は、ホルモンバランスの急激な変化による身体への影響だけでなく、骨粗しょう症や心血管疾患のリスク増加なども考えられるため、早めに専門家に相談することをお勧めします。

また、早発閉経の方は一般的に更年期障害の症状が強く現れる傾向があるため、適切なケアと対策が重要になります。

3. 更年期障害の初期症状と主な症状

更年期障害専門の女性医師

更年期障害はエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌低下に伴い、さまざまな症状が現れます。個人差はありますが、症状を早期に認識することで適切な対処が可能になります。

3.1 身体的な初期症状

身体的症状は更年期障害の特徴的なサインとして現れることが多く、日常生活に支障をきたすケースもあります。

3.1.1 ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)

突然、上半身や顔に熱い感覚が訪れ、汗が出ることをホットフラッシュと呼びます。一般的に数分間続き、夜間に発生すると寝汗として現れます。女性の約80%が経験するといわれ、更年期障害の代表的な症状です。

ホットフラッシュは以下のような特徴があります:

  • 突然の熱感と発汗
  • 胸から顔にかけて赤くなることがある
  • 発作の後に寒気を感じることも
  • 頻度や強さには個人差がある

3.1.2 睡眠障害・疲労感

ホルモンバランスの変化に伴い、睡眠の質が低下することがあります。夜間のホットフラッシュで目が覚めたり、眠りが浅くなったりして慢性的な疲労感につながります。

主な睡眠関連の症状には以下のようなものがあります:

  • 入眠困難
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 日中の過度な眠気
  • 疲労感が取れない感覚

3.1.3 頭痛・めまい

更年期に入ると、これまでなかった頭痛が始まったり、既存の頭痛が悪化したりすることがあります。また、めまいや立ちくらみなどの症状も珍しくありません。

これらの症状は血管運動神経系の不安定さから生じることが多く、以下のような形で現れます:

  • 片頭痛の頻度増加
  • 緊張型頭痛
  • 回転性または非回転性のめまい
  • 体位変換時のふらつき

3.2 精神的な初期症状

ホルモンバランスの変化は心理状態にも大きな影響を与えます。これらの精神的症状は身体的症状より気づきにくいことがあります。

3.2.1 イライラ・不安感

些細なことで怒りやすくなったり、理由のない不安を感じたりすることが増えるのが特徴です。これらの感情の波は予測不能で、自分でもコントロールしづらい状態になります。

主な感情変化の症状:

症状 特徴
感情の起伏 急な泣き出しや怒り、喜びなど感情が不安定になる
イライラ感 普段なら気にならないことでも苛立ちを感じる
不安感 漠然とした不安や心配が増える
焦燥感 落ち着かない、何かに追われているような感覚

3.2.2 抑うつ状態

気分の落ち込みや何事にも興味が持てなくなる抑うつ状態は、更年期障害の重要な精神症状です。これはホルモン変動による脳内物質の変化が関係しています。

抑うつ状態の主な特徴:

  • 気分の落ち込みが長期間続く
  • 今まで楽しめていたことへの興味喪失
  • 過度な自己批判や罪悪感
  • 将来に対する悲観的な見方
  • 食欲の変化(増加または減少)

3.2.3 集中力の低下

記憶力や集中力の低下も更年期によく見られる症状です。仕事や家事など日常的なタスクに支障をきたすこともあります。

多くの女性が「頭の中が霧がかかったよう」と表現する認知機能の変化は、エストロゲン低下が脳の神経伝達物質に影響することが一因と考えられています。

認知機能の変化の例:

症状 日常生活での影響
単語が出てこない 会話中に言葉が思い出せない
物の置き忘れ 鍵や眼鏡などをどこに置いたか忘れる
予定の忘れ 約束や会議の時間を忘れてしまう
マルチタスクの困難 複数の作業を同時にこなせなくなる

これらの症状は単独ではなく、複数が組み合わさって現れることが多く、症状の種類や強さには個人差があります。日常生活に支障をきたす場合は、適切な対処法を検討することが重要です。

4. 更年期障害のセルフチェック方法

更年期のチェックの画像

更年期障害かどうか気になる方は、まず自分の症状をチェックすることから始めましょう。ここでは、自己判断の目安となるチェックリストや症状の記録方法、そして医療機関を受診すべきタイミングについて解説します。

4.1 更年期障害の簡易チェックリスト

以下のチェックリストで自分の状態を確認してみましょう。該当する項目が多いほど、更年期障害の可能性が考えられます。

身体的症状 精神的症状
□ 突然の汗やほてり(ホットフラッシュ)がある □ 理由もなく不安になることがある
□ 寝つきが悪い、または夜中に目が覚める □ 以前より怒りっぽくなった
□ 疲れやすく、だるさが続く □ 気分の落ち込みがある
□ 肩こりや頭痛が増えた □ 集中力が続かない
□ 動悸や息切れがする □ 物忘れが増えた
□ 関節や筋肉の痛みがある □ イライラして家族に当たることがある
□ 月経不順がある(女性の場合) □ やる気が出ない

10項目以上当てはまる場合は、更年期障害の可能性が高いと考えられます。しかし、これはあくまで目安であり、正確な診断には専門的な検査が必要です。

4.2 症状の記録方法

更年期障害の症状は日によって変化することが多いため、継続的な記録が重要です。以下の方法で症状を記録してみましょう。

  • 日付ごとに症状の種類と程度(軽度・中程度・重度)を記録する
  • 症状が現れた時間帯や状況を記録する
  • 月経の状態(女性の場合)を記録する
  • 睡眠の質や時間を記録する
  • 食事内容や運動の有無も合わせて記録する

スマートフォンのアプリなどを活用すると、症状の記録と分析が容易になります。最低でも1ヶ月以上の記録をつけることで、症状のパターンが見えてくることが多いでしょう

4.3 医療機関を受診すべき症状の目安

セルフチェックの結果、以下のような状況が見られる場合は、専門機関への受診を検討しましょう。

  • 日常生活に支障をきたすほどの強い症状がある
  • 症状が3ヶ月以上継続している
  • 急に大量の出血がある(女性の場合)
  • 強い動悸や息切れ、胸痛がある
  • 激しい頭痛やめまいが続く
  • うつ状態や強い不安感がある
  • 不眠が続き日中の活動に影響が出ている

症状が重い場合や不安が強い場合は、自己判断せずに早めに受診することをお勧めします。特に、更年期障害と似た症状を示す他の疾患を除外するためにも、専門的な診断は重要です。

自分の体調の変化に敏感になり、適切なタイミングで対応することが、更年期を健やかに過ごすための第一歩となります。セルフチェックは自己理解の手段として活用し、必要に応じて適切なサポートを受けましょう。

5. 更年期障害と間違えやすい病気

病気が気になる女性

更年期障害の症状は、他の疾患と似ていることが多く、正確な診断が重要です。更年期の年齢であっても、症状の原因が別の病気である可能性もあります。以下では、更年期障害と症状が似ている主な疾患について解説します。

5.1 甲状腺疾患

甲状腺の機能異常は、更年期障害とよく似た症状を引き起こすことがあります。特に女性は甲状腺疾患にかかりやすいと言われています。

甲状腺機能亢進症の症状 甲状腺機能低下症の症状
動悸・多汗 倦怠感・冷え性
体重減少 体重増加
不安・イライラ 抑うつ・無気力
生理不順 むくみ

更年期障害と甲状腺疾患を見分けるポイントは、血液検査で甲状腺ホルモン値を確認することです。のぼせや発汗、不眠といった症状が顕著な場合は、更年期障害と思い込まず、甲状腺機能の検査を受けることをおすすめします。

5.2 うつ病

更年期障害の精神的症状とうつ病は、しばしば混同されます。両者の症状には重なる部分が多いため、区別が難しいケースもあります。

うつ病の主な症状:

  • 持続的な憂うつ感
  • 何事にも興味や喜びを感じられない
  • 食欲不振または過食
  • 不眠または過眠
  • 自責の念や無価値感
  • 集中力の低下
  • 自殺念慮

更年期障害とうつ病の違いとして、更年期障害では気分の変動が大きく、身体症状(ほてりやのぼせなど)を伴うことが多い点が挙げられます。また、うつ病では症状が持続的であるのに対し、更年期障害では症状に波があることが特徴です。

更年期にうつ症状が現れた場合、ホルモンバランスの変化が影響している可能性もありますが、適切な治療のためには正確な診断が必要です。症状が重い場合や日常生活に支障が出ている場合は、専門家に相談しましょう。

5.3 自律神経失調症

自律神経失調症は、自律神経のバランスが乱れることで、様々な不調が現れる状態です。更年期障害との症状の類似点が多く、区別が難しいことがあります。

自律神経失調症の主な症状:

  • めまい・ふらつき
  • 頭痛・肩こり
  • 動悸・息切れ
  • 胃腸の不調
  • 不眠
  • 疲れやすさ
  • 不安・イライラ

更年期障害と自律神経失調症の大きな違いは、発症年齢や原因にあります。自律神経失調症は年齢を問わず発症し、主にストレスや生活習慣の乱れが原因となります。一方、更年期障害は主に40〜50代の女性に現れ、エストロゲンの減少が主な原因です。

ただし、更年期におけるホルモンバランスの変化が自律神経に影響を与えることもあり、両者が合併するケースも少なくありません。症状の原因を正確に特定するためには、専門的な検査と診断が必要です。

これらの疾患と更年期障害は共存する場合もあるため、自己判断せず、適切な診断を受けることが重要です。また、更年期障害の治療だけでは改善しない場合は、他の病気の可能性も考慮する必要があります。

6. 更年期障害の診断方法

更年期の診断書

更年期障害の正確な診断は、適切な治療や対策を講じるための第一歩です。単に年齢だけで判断するのではなく、複数の診断方法を組み合わせて総合的に評価されます。

6.1 問診と身体検査

更年期障害の診断において、問診は最も重要なステップです。医療従事者は以下のような情報を詳しく聞き取ります:

  • 現在感じている症状とその程度
  • 症状が始まった時期と経過
  • 月経の状態(頻度の変化、量の変化など)
  • 家族歴(母親や姉妹の更年期の経験など)
  • 既往歴や現在服用中の薬
  • 生活習慣やストレス状況

身体検査では、血圧測定、体重チェック、婦人科的診察などが行われ、症状の原因となる他の疾患がないかも確認されます。

6.2 ホルモン検査

血液検査を通じて、女性ホルモンの状態を評価します。主に以下のホルモン値が測定されます:

検査項目 意味 更年期の特徴
FSH(卵胞刺激ホルモン) 卵巣を刺激するホルモン 値が上昇する(30mIU/mL以上で閉経傾向)
エストラジオール(E2) 主要な女性ホルモン 値が低下する
LH(黄体形成ホルモン) 排卵を促すホルモン 値が変動し、最終的に上昇

ホルモン検査の結果だけで更年期障害と診断することはできません。ホルモン値は日内変動や月経周期によって変化するため、複数回の測定が必要な場合もあります。また、症状との関連性を総合的に判断することが重要です。

6.3 他の疾患の除外診断

更年期障害と似た症状を示す他の疾患を除外することも診断の重要な部分です。主な除外すべき疾患には:

  • 甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症や亢進症)
  • 貧血
  • うつ病や不安障害
  • 自律神経失調症
  • 慢性疲労症候群
  • 線維筋痛症

これらの疾患を除外するために、以下の追加検査が行われることがあります:

  • 甲状腺機能検査(TSH、FT3、FT4)
  • 血算(CBC)
  • 血糖値検査
  • 肝機能・腎機能検査
  • 心電図検査(動悸や胸部不快感がある場合)

更年期障害の診断は、これらの検査結果と症状の訴えを総合的に評価して行われます。症状が重い場合や、通常の更年期症状と異なる場合は、より詳細な検査が必要となることもあります。

適切な診断を受けることで、症状に合った治療法を選択できるようになります。自己判断せず、症状が気になる場合は専門的な診断を受けることをお勧めします。

7. 更年期障害の治療法と対策

更年期障害で悩む女性

更年期障害の症状は個人差が大きく、その程度も様々です。症状が日常生活に支障をきたす場合は、適切な治療や対策が必要になります。ここでは代表的な治療法と日常生活で取り入れられる対策について解説します。

7.1 ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy)は、減少したエストロゲンを補う治療法です。更年期障害の症状、特にホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状に対して高い効果を示します。

HRTには錠剤、貼付剤、ジェル、膣錠など様々な剤形があり、症状や生活スタイルに合わせて選択できます。

剤形 特徴 向いている人
錠剤 内服するタイプ。用量調整が容易 毎日決まった時間に服用できる人
貼付剤 皮膚に貼るタイプ。週1〜2回の交換 内服が苦手な人、忘れやすい人
ジェル 皮膚に塗るタイプ。吸収が安定 肌トラブルが出やすい人

HRTには乳がんや血栓症などのリスクも報告されているため、個人の既往歴や家族歴を考慮した上で、専門家と相談して治療を進めることが重要です。

7.2 漢方薬による治療

漢方薬は体全体のバランスを整える治療法として、更年期障害に広く用いられています。西洋医学的な治療と比べて副作用が少なく、複数の症状に対応できるのが特徴です。

主な漢方薬には以下のようなものがあります:

  • 当帰芍薬散:冷え症や貧血傾向がある方に
  • 加味逍遙散:イライラや不安感、ほてりがある方に
  • 桂枝茯苓丸:のぼせや肩こりがある方に
  • 牛車腎気丸:疲労感や腰痛、頻尿がある方に

漢方薬は即効性はありませんが、継続することで徐々に体質改善につながります。体質や症状に合った処方を選ぶことが大切です。

7.3 生活習慣の改善

更年期障害は生活習慣の改善だけで症状が軽減することもあります。日常生活の中で取り入れられる対策を見ていきましょう。

7.3.1 適切な食事と栄養素

バランスの良い食事は更年期障害の症状緩和に役立ちます。特に以下の栄養素を意識的に摂取するとよいでしょう。

栄養素 効果 含まれる食品
大豆イソフラボン 植物性エストロゲン様作用 豆腐、納豆、豆乳、枝豆
カルシウム 骨粗しょう症予防 乳製品、小魚、緑黄色野菜
ビタミンE 血行促進、抗酸化作用 ナッツ類、植物油、アボカド
オメガ3脂肪酸 炎症抑制、メンタルヘルス改善 青魚、亜麻仁油、クルミ

刺激物(アルコール、カフェイン、辛い食べ物)の摂取を控えることで、ホットフラッシュなどの症状が軽減することがあります。

7.3.2 運動の効果

適度な運動は更年期障害の様々な症状を改善します。運動には以下のような効果があります:

  • 骨密度の維持・向上
  • 心肺機能の強化
  • 睡眠の質の向上
  • ストレス軽減とメンタルヘルスの改善
  • 体重管理

ウォーキングや水泳、ヨガなど、自分のペースで無理なく続けられる運動を選びましょう。週に3〜5回、30分程度の運動を目標にするとよいでしょう。

7.3.3 ストレス管理法

ストレスは更年期障害の症状を悪化させることがあります。日常的にストレス管理を行うことが大切です。

効果的なストレス管理法には以下のようなものがあります:

  • 深呼吸や瞑想
  • 趣味の時間を持つ
  • 十分な睡眠時間の確保
  • 入浴でリラックス
  • アロマテラピーの活用

自分に合ったリラクゼーション法を見つけて、定期的に実践することが重要です。

更年期障害の症状が強い場合は、これらの対策を組み合わせることで効果的に症状を和らげることができます。症状が日常生活に大きな支障をきたす場合は、専門家に相談することをおすすめします。

8. 更年期障害を乗り切るためのサポート体制

更年期をサポートする看護師

更年期障害の症状を和らげ、この人生の転換期を前向きに過ごすためには、適切なサポート体制が重要です。周囲の理解と本人の積極的な対応が、症状の軽減と生活の質の向上につながります。

8.1 家族の理解と協力

更年期障害は本人だけでなく、家族の生活にも影響を与えることがあります。家族の適切な理解と協力は、症状の緩和に大きく貢献します。

家族ができるサポートとして、まず本人の体調の変化や感情の起伏を受け入れる姿勢が重要です。イライラや落ち込みなどの症状があっても、それは一時的なものであり、体内の変化に起因することを理解しましょう。

具体的な協力方法としては、家事の分担や、静かに休める環境の確保、話を聞く時間を作るなどが挙げられます。小さな気遣いが大きな支えになります。

家族のサポート例 効果
家事の分担・協力 身体的負担の軽減、休息時間の確保
症状への理解を示す 精神的ストレスの軽減、安心感
コミュニケーションの時間確保 不安の解消、孤独感の防止

8.2 専門医への相談

更年期障害の症状が日常生活に支障をきたす場合は、専門的な診察を受けることをお勧めします。婦人科や内科の専門家に相談することで、適切な治療や対処法を見つけることができます。

初めて受診する際には、症状の内容や始まった時期、程度などをメモしておくと診察がスムーズに進みます。また、既往歴や現在服用中の薬がある場合は、それらの情報も伝えましょう。

専門家に相談することで、単なる更年期障害ではなく、他の疾患が隠れている可能性を排除できるメリットもあります。自己判断で症状を放置せず、必要に応じて専門的なアドバイスを求めることが大切です。

8.3 更年期障害の体験談と解決例

多くの女性が更年期障害を経験し、それぞれの方法で乗り越えています。実際の体験談は同じ悩みを持つ方々にとって、大きな励みとなります。

50代前半のAさんは、突然のホットフラッシュと不眠に悩まされていましたが、規則正しい生活リズムの確立と適度な運動を取り入れることで症状が軽減しました。特にヨガや水泳などの無理なく続けられる運動が効果的だったといいます。

また、48歳のBさんは、イライラや集中力低下に悩んでいましたが、家族に症状を正直に伝え理解を求めるとともに、趣味の時間を確保することでストレスを軽減できました。好きな活動に取り組むことで気分転換ができ、症状が和らいだそうです。

更年期障害の症状や対処法は個人差が大きいため、自分に合った方法を見つけることが重要です。一人で抱え込まず、周囲のサポートを活用しながら、この時期を乗り越えていきましょう。

9. まとめ

更年期障害は女性では一般的に45〜55歳頃に始まり、男性にも現れることがあります。ホットフラッシュや睡眠障害といった身体症状、イライラや抑うつなどの精神症状が特徴的です。症状に気づいたら症状を記録し、必要に応じて婦人科や更年期外来を受診しましょう。甲状腺疾患やうつ病との区別も重要です。治療法としてはホルモン補充療法や漢方薬のほか、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理といった生活習慣の改善が効果的です。更年期は誰もが通る道であり、適切な知識と対策で快適に過ごすことができます。家族の理解を得ながら、必要なときは専門医に相談することで、この人生の転換期を前向きに乗り越えられるでしょう。

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