その「だるい」症状、更年期かも?原因と今すぐできる対策を専門家が解説
「最近だるい…もしかして更年期?」と感じていませんか。この記事では、更年期特有のだるさの原因や特徴、医師が推奨するセルフケア、必要な受診の目安や治療方法まで専門的に解説します。正しい知識と対策で、心身の不調を和らげる方法が分かります。
1. 更年期に感じる「だるい」症状とは
更年期になると、今まで感じたことのない持続的な倦怠感や身体のだるさに悩まされる方が多くなります。これまで元気に過ごしていたのに、朝起きても疲労感が抜けず、なんとなく全身が重たい、やる気が出ないといった変化に気づくことが特徴です。この節では、更年期特有の「だるさ」について、具体的な特徴や現れ方、他の不調との違いを詳しく解説します。
1.1 だるさの主な特徴と現れ方
更年期特有のだるさは、次のような点で現れやすい傾向があります。
特徴 | 現れ方の例 |
---|---|
全身感 | 身体全体が重たく、スッキリしないと感じる |
朝の疲労感 | 十分に寝ても翌朝の疲労が抜けない |
やる気の低下 | 家事や仕事に対して億劫な気持ちが続く |
日中の眠気 | 日中に眠気が強く、注意力が散漫になる |
波がある | 調子の良い日と悪い日が不定期に現れる |
このような症状が単独、または複数あらわれるのが特徴的です。
1.2 他の不調と見分けるポイント
身体がだるいと感じる原因はさまざまですが、更年期特有のだるさには次のようなポイントがあります。
- 発汗やほてり、不眠など他の更年期症状と一緒に現れる
- 年齢が40代後半~50代前半で発症しやすい
- 生活習慣の変化や大きなストレスがきっかけとなる場合が多い
一般的な疲労や体調不良に比べ、更年期のだるさは慢性的で休息だけでは回復しづらいという違いがあります。また、気分の落ち込みや肩こり、頭痛なども同時に訴えることが少なくありません。自身の症状が更年期に関連していそうか、日々の生活や年齢、他の症状と照らし合わせて確認することが大切です。
2. 更年期になぜだるさを感じるのか
2.1 ホルモンバランスの変化と影響
更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンは女性の心身の健康を保つ重要な役割を担っていますが、このホルモンが減少すると全身のエネルギー代謝や免疫力の維持、精神面の安定に影響が出やすくなります。その結果、なんとなく疲れやすい「だるい」感覚が強まります。
2.2 自律神経の乱れとの関係
エストロゲンの低下によって、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れやすくなります。自律神経は、体温調節や発汗、心拍や睡眠リズムなど日々の体の働きをコントロールしています。自律神経の乱れが起こると、休んでも疲れがとれにくい、朝起きるのがつらい、といった慢性的なだるさや倦怠感が生じやすくなります。
2.3 心身のストレスとだるさ
更年期は仕事や家庭など様々なライフイベントが重なる時期でもあり、心理的ストレスも大きくなりがちです。心身へのストレスはホルモンバランスや自律神経の働きをさらに乱しやすくし、一層の疲労感やだるさにつながります。
要因 | 主な特徴 | だるさへの影響 |
---|---|---|
ホルモンバランスの変化 | エストロゲン分泌の減少 | 全身のエネルギー低下、疲労感 |
自律神経の乱れ | 交感神経・副交感神経の乱れ | 慢性的なだるさ・倦怠感 |
心理的・身体的ストレス | 生活環境や人間関係などの変化 | さらに強い疲労やだるさの増加 |
3. 更年期のだるい症状に関連する主な病気やトラブル
3.1 甲状腺疾患や貧血の可能性
更年期の「だるさ」は、女性ホルモンの変化だけでなく、他の身体的な異常が隠れている場合があります。特に注意したいのが「甲状腺疾患」と「貧血」です。
関連疾患 | 主な症状 | 特徴的なポイント |
---|---|---|
甲状腺機能低下症 | 強い倦怠感、寒がり、むくみ、乾燥肌 | 喉元の腫れや体重増加が重なる場合は、念のため血液検査などで確認が必要です。 |
鉄欠乏性貧血 | 立ちくらみ、息切れ、肌の蒼白、動悸 | 更年期以外にも月経やダイエットによる栄養不足が原因の場合があります。 |
たとえ更年期世代であっても、「だるさ」や「倦怠感」が続く場合は、これらの疾患も同時に考慮することが大切です。
3.2 更年期障害との違いと重なり
更年期のだるさは、いわゆる「更年期障害」に分類されることも多いですが、症状の範囲や強さには個人差があります。他の不調と組み合わさって現れることが多く、次のような特徴が見られることがあります。
- 肩こりや頭痛、不眠などの症状と同時に感じることが多い
- 「なんとなく調子が悪い」「ゆううつな気分になる」「やる気が出ない」といった精神的な不調も重なりやすい
- 季節の変わり目やストレス、過労などで悪化する場合もある
更年期障害の場合は、周期的な症状の波や日によって体調が大きく変わることが特徴です。また、エストロゲンの低下によるホットフラッシュ(ほてり・発汗)や動悸など、だるさ以外の症状が現れる場合も多いです。
自分の「だるさ」が他の疾患や更年期特有の症状とどのように関係しているかを把握することが、適切な対処への第一歩となります。
4. だるさを和らげる今すぐできるセルフケア
4.1 日常生活でできる簡単な対策
更年期のだるさを軽減するためには、小さな生活習慣の見直しが効果的です。朝起きたらカーテンを開けて太陽光を浴びることは、体内時計をリセットし自律神経を整えるのに役立ちます。また、無理のない範囲で家事や近所への散歩など、日常的に少し体を動かすことを意識しましょう。スマートフォンやテレビなどの電子機器から離れる時間を作ることも、リラックス効果が期待できます。完璧を目指さず「できることを一つずつ」取り入れることが継続のコツです。
4.2 食事・栄養サポートのポイント
バランスの良い食生活は、だるさの軽減や体調管理に欠かせません。特にタンパク質・ビタミンB群・鉄分・カルシウムを適度に取り入れることを意識しましょう。以下に、だるさ対策としておすすめの主な栄養素とその多く含まれる食品例を表にまとめました。
栄養素 | 主な働き | 多く含む日本の食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 身体の修復やエネルギー維持 | 卵、鶏むね肉、豆腐、納豆、ヨーグルト |
ビタミンB群 | エネルギー代謝を助ける | 玄米、豚肉、バナナ、きのこ類 |
鉄分 | 貧血・倦怠感予防 | ほうれん草、レバー、しじみ |
カルシウム | 精神の安定・神経伝達 | 牛乳、小松菜、いりこ |
水分補給も大切です。温かいお茶や白湯などでこまめに水分を摂ることで、体の巡りもよくなります。インスタント食品や甘いお菓子などに偏りすぎないよう、意識してみましょう。
4.3 運動・睡眠環境の整え方
軽い運動と質の良い睡眠は、更年期世代にとって心身の回復に大きく貢献します。ウォーキングやストレッチなどのゆったりした有酸素運動は、筋肉や血流を刺激しだるさの解消を助けます。無理にハードな運動を始める必要はありません。体調次第で深呼吸や足首回し、肩甲骨まわしのような簡単な動きもおすすめです。
睡眠では、寝る1時間前から照明をやや落とし、リラックスできる音楽を流すなどして睡眠モードに切り替えましょう。寝室の温度や湿度管理にも気を配ると良いでしょう。強い眠気があれば、20分程度の昼寝も効果的ですが、夕方以降の仮眠は夜の眠りの妨げになるため控えましょう。
5. 医師や専門家に相談すべき目安と治療方法
5.1 受診するべき症状とは
更年期のだるさは多くの方が経験するものですが、「休んでも改善しない強い倦怠感や、日常生活に支障をきたすほどのだるさ」が続く場合は、専門家へ相談することが重要です。また、発熱・体重減少・動悸・息切れ・著しい気分の落ち込み・寝汗やほてりが極端な場合など、「他の病気が疑われる症状」が現れた際にもアドバイスを受けましょう。
目安となる症状 | 注意点 |
---|---|
仕事や家事が困難な強いだるさ | 睡眠や休息をとっても改善しない |
気分の落ち込み・イライラが長引く | 自力での解消が難しい |
ふらつき・めまい・息切れ | 急激に症状が悪化する場合は特に注意 |
月経異常や不正出血が続く | 他の疾患が隠れている可能性も |
5.2 婦人科や内科で行われる主な治療
専門家のもとでは、「問診・血液検査によるホルモン値や貧血・甲状腺のチェック」が行われ、更年期のだるさに応じたアドバイスや治療方針が示されます。体調や生活状況に合わせて、生活習慣の見直し指導やサポートも行われることが多いです。また、症状が強い場合は、必要に応じて下記のような治療が提案されます。
検査・治療法 | 概要 |
---|---|
ホルモン値測定 | エストロゲンやFSHなどを血液検査で測り、更年期かどうかを確認 |
生活習慣指導 | 食事・睡眠・適度な運動の提案と管理 |
心理的サポート | 不安やストレス解消のアドバイス |
5.3 漢方薬やホルモン補充療法について
更年期のだるさに対しては、症状に合わせた漢方薬やホルモン補充療法(HRT)が活用されることがあります。例えば、「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」などの漢方薬は、ホルモンバランスの乱れや体質を考慮して選ばれることが多いです。ホルモン補充療法は、女性ホルモンの低下による心身の不調に対応し、医療従事者のもとで安全に行われます。
どちらの治療も専門家による副作用の確認や定期的な経過観察が大切です。体調や生活環境に合わせて、最適な方法を選ぶことが勧められています。
6. 「だるい」更年期症状への対策を実践した方の体験談
6.1 体験談1:生活改善で変化を感じた例
50代前半の女性Aさんは、毎朝の強い倦怠感に悩まされていました。最初は年齢のせいだと諦めていましたが、友人のすすめで生活習慣の見直しを決意。毎日のスケジュールを見直して、夜更かしをやめ、朝食をしっかり摂ることを意識しました。また、朝の簡単なストレッチや自宅周辺のウォーキングも取り入れたそうです。現在は、以前よりも睡眠の質が向上し、目覚めがすっきりする日が増えていると感じています。
実践したこと | 実感できた変化 |
---|---|
朝食をしっかり摂る ウォーキング・ストレッチ 規則的な睡眠 |
倦怠感の緩和 目覚めの良さ 日中の集中力UP |
Aさんは「小さな習慣でも続けることで体調が安定しはじめた」と話しています。
6.2 体験談2:セルフケアとサポートアイテムの活用
55歳女性Bさんも、慢性的なだるさによる日々の不調に悩んでいました。はじめは市販のサプリメントのみ試していましたが、効果をあまり感じませんでした。そこで、更年期症状に良いと聞いた大豆イソフラボンを含む食品(納豆、豆腐など)を意識して食事に取り入れるように。更に、アロマテラピーでリラックスする時間を作り、バスタイムにはラベンダーの香りの入浴剤を使うようになりました。1ヶ月ほど続けると、不思議とだるさが和らぎ、夕方の活動も楽になったと感じています。
取り組み | ポイント | 感じた効果 |
---|---|---|
大豆食品の摂取 アロマの活用 ゆっくり入浴 |
ホルモンバランスに配慮した食事 心身のリラックス |
慢性的なだるさの軽減 日常生活の充実 |
Bさんは「体と心の両面からケアすることで、毎日が前向きに過ごせるようになった」と話しています。
7. まとめ
更年期に感じる「だるい」症状は、エストロゲンの減少によるホルモンバランスや自律神経の乱れが主な原因です。セルフケアや栄養・運動改善でも改善が難しい場合は、医師に相談し、必要に応じて漢方薬やホルモン補充療法などの適切な治療を受けることが重要です。「だるさ」は放置せず、早めの対策でより快適な毎日を目指しましょう。
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参考サイト