もしかして…更年期は何歳から始まる?40代女性が知っておきたいサインとセルフチェック 

更年期で頭を抱える女性

「最近生理が不規則になった」「急に汗をかくようになった」そんな症状に心当たりはありませんか?更年期は一般的に45~55歳頃に始まりますが、個人差が大きく早い人では40歳前から症状が現れることもあります。この記事では、更年期の開始年齢から初期症状の見分け方、セルフチェック方法まで詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、適切な対処法を選択し、この時期を穏やかに過ごすための準備ができるでしょう。

1. 更年期は何歳から始まるか詳しく解説

更年期の開始時期は個人差が大きく、日本人女性の場合、一般的に45歳から55歳の間で始まるとされています。この10年間は「更年期」と呼ばれ、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少する時期です。

更年期の始まりは閉経の前後5年間を指し、月経が完全に止まる閉経の平均年齢が約50歳であることから、更年期症状は40代後半から現れることが多いのが特徴です。

1.1 更年期開始の平均年齢

日本人女性における更年期開始の年齢について、詳しいデータを表にまとめました。

年齢 割合 症状の特徴
45~47歳 約20% 軽度の月経不順、疲労感
48~50歳 約40% ホットフラッシュ、気分の変動
51~53歳 約30% 閉経移行期の症状が顕著
54~55歳 約10% 閉経後症状の安定期

最も多くの女性が更年期症状を実感するのは48歳から50歳の間です。この時期は月経周期の変化とともに、身体的・精神的な変化が最も顕著に現れる傾向があります。

ただし、これらの数値はあくまで平均的なものであり、個人の体質や生活環境、遺伝的要因によって大きく変動することを理解しておくことが重要です。

1.2 早期更年期と遅発更年期

更年期の開始時期には個人差があり、平均的な年齢から大きく外れる場合があります。これらは「早期更年期」と「遅発更年期」と呼ばれます。

早期更年期は40歳未満で更年期症状が始まる状態を指します。原因として、遺伝的要因、過度なストレス、極端なダイエット、喫煙習慣、化学療法の影響などが挙げられます。早期更年期の場合、骨密度の低下や心血管疾患のリスクが通常よりも早い時期から高まる可能性があるため、適切な対策が必要です。

一方、遅発更年期は55歳以降に更年期が始まる場合を指します。遅発更年期の女性は、エストロゲンの恩恵を長期間受けられるため、骨粗鬆症や心疾患のリスクが相対的に低い傾向があります。しかし、乳がんや子宮内膜がんのリスクが若干高まる可能性も指摘されています。

早期更年期と遅発更年期のどちらの場合も、定期的な健康チェックと適切な生活習慣の維持が重要です。自分の身体の変化に敏感になり、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることをお勧めします。

2. 更年期の始まりを示す身体のサイン

チェックの札を持つ更年期専門医

更年期への移行は、女性の身体に様々な変化をもたらします。これらのサインを早期に認識することで、適切な対策を講じることができます。更年期の身体的症状は個人差が大きく、複数の症状が組み合わさって現れることが特徴です。

2.1 生理不順の特徴

更年期の最も早期に現れるサインの一つが生理不順です。40代半ばから生理周期の変化が始まり、徐々に不規則になっていくのが一般的なパターンです。

段階 周期の変化 期間の変化 量の変化
初期 21〜35日の範囲で不規則 2〜3日短くなる傾向 やや減少
中期 60日以上空くことも 1〜2日と短期間 大幅に減少
後期 数ヶ月間隔が空く 1日程度 極少量

突然の大量出血や長期間の出血が続く場合は、他の疾患の可能性も考えられるため注意が必要です。

2.2 ホットフラッシュの症状

ホットフラッシュは更年期女性の約75%が経験する代表的な症状で、急激な体温上昇と発汗を特徴とします。

症状の現れ方は以下の通りです:

  • 顔や首から始まる急激な熱感
  • 2〜4分程度続く激しい発汗
  • 動悸や息切れを伴うことがある
  • 夜間に起こると睡眠を妨げる

日中は仕事や人間関係に支障をきたすことがあり、1日に数回から十数回発生することもあり、症状の頻度と強度は個人によって大きく異なります

2.3 睡眠障害との関連

更年期に入ると、睡眠の質と量の両方に変化が生じます。ホルモンバランスの変化により、深い眠りに入りにくくなったり、中途覚醒が増加したりします。

具体的な睡眠の変化:

  • 寝付きが悪くなる(入眠困難)
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 早朝に目覚めてしまう
  • 朝起きても疲労感が残る

睡眠不足は日中の集中力低下やイライラ感を引き起こし、他の更年期症状を悪化させる悪循環を生み出すことがあります。

2.4 皮膚や髪の変化

エストロゲンの減少により、皮膚や髪にも顕著な変化が現れます。これらの変化は外見的な影響があるため、女性の心理的な負担となることもあります。

部位 主な変化 原因
皮膚 乾燥、弾力性の低下、シワの増加 コラーゲン産生の減少
薄毛、パサつき、白髪の増加 毛根への栄養供給の変化
薄くなる、割れやすくなる ケラチン産生の低下

皮膚の乾燥は全身に及び、特に顔や手の甲、すねなどに現れやすく、保湿ケアの重要性が増します。髪については、ボリュームの減少や質感の変化により、これまでのヘアスタイルが決まりにくくなることがあります。

3. 更年期の心の変化とサイン

病気が気になる女性

更年期を迎えると、身体的な症状だけでなく心理面でも大きな変化が現れます。女性ホルモンの急激な減少により、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、感情のコントロールが困難になることが主な原因です。これらの変化を理解することで、適切な対処法を見つけやすくなります。

3.1 情緒不安定になる理由

更年期における情緒不安定は、エストロゲンの減少が脳内のセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質に影響を与えることで起こります。些細なことで涙が出たり、急に怒りっぽくなったりする症状が特徴的です。

症状 具体的な現れ方 頻度
涙もろさ テレビや本を見て突然涙が出る 週に3-4回
イライラ感 家族の何気ない言動に過度に反応 ほぼ毎日
気分の波 1日の中で何度も感情が変化 日によって異なる

これらの症状は、ホルモンバランスの変化による自然な反応であることを理解し、自分を責めないことが重要です。

3.2 やる気の低下

更年期には、今まで興味があったことに対しても意欲が湧かなくなる現象が現れます。朝起きるのが辛くなったり、家事や仕事に集中できなくなったりする症状が典型的です。

やる気低下の主な症状として以下が挙げられます:

  • 趣味への関心が薄れる
  • 新しいことを始める気力がない
  • 決断力の低下
  • 完璧主義的な考えが強くなる
  • 物事を先延ばしにしがち

この状態は一時的なものであり、適切なセルフケアとホルモンバランスの安定化により改善が期待できます。

3.3 人間関係への影響

心の変化は、家族や友人、職場の同僚との関係性にも大きな影響を与えます。感情のコントロールが難しくなることで、コミュニケーションパターンが変化し、誤解や摩擦が生じやすくなります。

人間関係で起こりがちな変化を以下にまとめました:

関係性 よくある変化 対処のポイント
夫・パートナー 些細なことで口論になりやすい 更年期について理解を求める
子ども 過度に心配したり干渉したくなる 適度な距離感を保つ意識
職場の同僚 協調性を保つのが困難になる 必要に応じて相談できる環境作り
友人関係 社交性が低下し孤立しがち 少数でも信頼できる関係を維持

周囲の人々に更年期の症状について説明し、理解と協力を求めることで、人間関係の悪化を防ぐことができます。また、この時期には完璧を求めすぎず、できる範囲でのコミュニケーションを心がけることが大切です。

4. 自分でできる更年期チェック方法

更年期障害のチェックの画像

更年期の始まりは個人差が大きく、症状も多岐にわたるため、自分の身体の変化を客観的に把握することが重要です。日常的にできるセルフチェック方法を活用することで、更年期の兆候を早期に発見し、適切な対処法を見つけることができます。

4.1 症状日記のつけ方

更年期症状を正確に把握するためには、毎日の体調変化を記録する症状日記が非常に効果的です。継続的な記録により、症状のパターンや変化の傾向を客観的に分析できるようになります。

記録項目 記録内容 記録頻度
生理周期 開始日、終了日、量、色の変化 毎月
身体症状 ほてり、発汗、頭痛、肩こりの有無と程度 毎日
精神症状 気分の変化、イライラ、不安感の程度 毎日
睡眠状態 就寝時刻、起床時刻、中途覚醒の回数 毎日
体重変化 朝の体重測定値 週1回

症状日記をつける際は、5段階評価や10点満点での数値化を行うことで、変化をより明確に把握できます。スマートフォンアプリや手帳など、継続しやすい方法を選択することが大切です。

4.2 更年期度チェックシート活用法

更年期度チェックシートは、現在の症状を総合的に評価し、更年期の進行度を客観的に判断するためのツールです。定期的にチェックを行うことで、症状の変化を数値で確認できます。

症状カテゴリー チェック項目 評価基準
血管運動神経症状 ほてり、のぼせ、発汗、冷え 0:なし 1:軽度 2:中等度 3:重度
精神神経症状 不安、抑うつ、イライラ、不眠 0:なし 1:軽度 2:中等度 3:重度
身体症状 関節痛、筋肉痛、疲労感、頭痛 0:なし 1:軽度 2:中等度 3:重度
泌尿生殖器症状 月経不順、膣乾燥、性欲減退 0:なし 1:軽度 2:中等度 3:重度

チェックシートの活用方法として、月1回の定期的な評価を行い、合計点数の変化を追跡することが推奨されます。合計点数が20点以上の場合は更年期症状が顕著であることを示し、30点以上では専門的なケアの検討が必要とされています。

セルフチェックの結果は、自分の体調管理だけでなく、専門家に相談する際の重要な資料としても活用できます。継続的な記録により、症状の変化パターンを把握し、日常生活への影響度を客観的に評価することが可能になります。

5. 更年期を遅らせる・軽くする方法

健康管理の画像

更年期は自然な老化現象ですが、日常生活の改善により症状を軽減し、開始時期を遅らせることが期待できます。特に食事、生活習慣、ストレス管理の3つの柱を意識することで、女性ホルモンの急激な減少を緩やかにし、更年期障害の症状を和らげることができます。

5.1 栄養バランスの重要性

更年期対策において、バランスの取れた栄養摂取は最も基本的で効果的な方法です。女性ホルモンの代替となる成分や、骨密度の維持に必要な栄養素を意識的に摂取することで、更年期症状の予防と軽減が期待できます。

栄養素 主な効果 推奨摂取量目安
イソフラボン エストロゲン様作用 1日30~50mg
カルシウム 骨密度維持 1日600~800mg
ビタミンD カルシウム吸収促進 1日5.5μg

5.1.1 イソフラボンの効果

大豆に含まれるイソフラボンは、体内でエストロゲンと似た働きをする植物性エストロゲンとして知られています。豆腐、納豆、味噌、豆乳などの大豆製品を毎日の食事に取り入れることで、エストロゲンの急激な減少を緩和できます。

特に納豆は発酵により吸収率が高まっており、1パック(50g)で約35mgのイソフラボンが摂取できます。毎朝の食事に納豆を加えるだけで、手軽に更年期対策が行えます。

5.1.2 カルシウム・ビタミンD

エストロゲンの減少により骨密度が急激に低下するため、カルシウムとビタミンDの同時摂取が骨粗鬆症予防に不可欠です。牛乳、ヨーグルト、小魚、緑黄色野菜からカルシウムを、鮭、サンマ、きのこ類からビタミンDを積極的に摂取しましょう。

日光浴も重要で、1日15分程度の散歩により体内でビタミンDが生成されます。屋外での軽い運動は骨への刺激にもなり、一石二鳥の効果が得られます。

5.2 規則正しい生活リズム

体内時計を整えることで自律神経のバランスが保たれ、ホルモン分泌が安定します。特に睡眠の質と時間、食事のタイミングを一定に保つことが重要です。

理想的な生活リズムとして、毎日同じ時刻に就寝・起床し、7~8時間の睡眠時間を確保します。夕方以降のカフェイン摂取を控え、就寝2時間前には食事を済ませることで、深い眠りが得られます。

また、適度な運動習慣も重要です。週3回、30分程度のウォーキングや水中運動により、血行が改善され、ストレス発散にもつながります。激しい運動よりも、継続できる軽度から中程度の運動が効果的です。

5.3 リラクゼーション法

慢性的なストレスは女性ホルモンの分泌を乱し、更年期症状を悪化させます。日常的にリラクゼーション法を取り入れることで、心身の緊張を和らげ、ホルモンバランスの安定化が図れます

リラクゼーション法 実践時間 期待効果
深呼吸法 5~10分 自律神経調整、即効性
瞑想 10~20分 ストレス軽減、集中力向上
ヨガ 20~60分 柔軟性向上、心身リラックス

深呼吸法は場所を選ばずいつでも実践でき、鼻から4秒で吸い、8秒かけてゆっくり口から吐く腹式呼吸を繰り返します。この簡単な方法だけでも、副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。

入浴時のアロマテラピーも効果的で、ラベンダーやゼラニウムの精油を数滴垂らした38~40度のぬるめのお湯に15分程度浸かることで、心身の緊張がほぐれます。質の良い睡眠にもつながるため、夜の習慣として取り入れることをお勧めします。

6. 更年期治療の選択肢

ザクロを持つ更年期の女性

更年期症状に悩む女性にとって、適切な治療法を選択することは重要です。現在利用可能な主な治療法について、それぞれの特徴と効果を詳しく解説します。

6.1 ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法は、減少したエストロゲンとプロゲスチンを人工的に補充する治療法です。更年期症状の根本的な原因にアプローチできるため、多くの症状に対して高い効果が期待できます。

投与方法 特徴 メリット 注意点
飲み薬 経口摂取タイプ 手軽に服用可能 肝臓への負担がある
貼り薬 皮膚から吸収 肝臓を通らず副作用が少ない 皮膚かぶれの可能性
塗り薬 ジェル・クリーム状 用量調整しやすい 塗布部位の管理が必要

ホルモン補充療法は、ホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状に特に効果的で、約90%の女性で症状の改善が認められています。ただし、血栓症や乳がんのリスクが若干増加する可能性があるため、定期的な健康チェックが必要です。

6.2 漢方薬治療

漢方薬は、体質や症状に合わせて個別に処方される自然由来の治療法です。更年期症状に対して穏やかながら確実な効果が期待でき、副作用が比較的少ないという特長があります。

更年期症状によく使用される代表的な漢方薬には以下があります:

漢方薬名 主な効果 適用症状
当帰芍薬散 血行改善、水分代謝調整 冷え症、むくみ、疲れやすさ
加味逍遙散 精神安定、ホルモン調整 イライラ、のぼせ、不安感
桂枝茯苓丸 血液循環改善 のぼせ、頭痛、肩こり
温清飲 熱証の調整 ほてり、不眠、皮膚乾燥

漢方薬治療の効果は個人の体質によって大きく異なるため、専門知識を持つ薬剤師や漢方専門家との相談が重要です。効果が現れるまでに2〜3ヶ月程度かかることが一般的です。

6.3 サプリメント活用

サプリメントは、日常生活に取り入れやすく、副作用が少ない補完的な治療選択肢として注目されています。科学的根拠に基づいた成分を選択することが効果的な活用のカギとなります。

更年期症状に効果が期待される主要なサプリメント成分:

成分名 推奨摂取量 期待される効果 注意事項
大豆イソフラボン 25〜50mg/日 エストロゲン様作用、ホットフラッシュ軽減 過剰摂取に注意
エクオール 10mg/日 より強力なエストロゲン様作用 体内産生能力には個人差あり
ブラックコホシュ 40〜80mg/日 ホットフラッシュ、気分症状の改善 肝機能への影響に注意
プラセンタ 100〜300mg/日 疲労回復、美容効果 アレルギー反応の可能性

サプリメントを選ぶ際は、品質管理が徹底された製品を選び、他の薬物との相互作用についても確認が必要です。また、効果には個人差があり、症状が重篤な場合は専門的な治療が優先されることを理解しておきましょう。

これらの治療選択肢は単独で使用することもできますが、症状の程度や個人の状況に応じて複数の方法を組み合わせることでより効果的な結果が期待できます。自分に最適な治療法を見つけるために、専門家との相談を通じて総合的なアプローチを検討することが重要です。

7. まとめ

更年期は一般的に45~55歳頃から始まり、平均的には50歳前後とされています。生理不順やホットフラッシュ、睡眠障害などの身体的サインに加え、情緒不安定やイライラといった心の変化も現れます。症状日記をつけることで自分の状態を客観的に把握でき、早期発見につながります。バランスの良い食事と規則正しい生活、適度な運動を心がけることで症状の軽減が期待できます。気になる症状があれば医師に相談し、ホルモン補充療法や漢方薬など適切な治療選択肢を検討することが大切です。

和歌山の更年期障害専門鍼灸院矢野鍼灸整骨院では、女性ホルモンと自律神経を4か月で整える専門の鍼灸で更年期障害の不調やお悩みを解決します。

矢野鍼灸整骨院の鍼灸は、てい鍼という痛みゼロの鍼と、熱さの調節できるお灸で初めての方でも安心して受けていただけます。

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【この記事を書いた人】

 矢野泰宏(やの やすひろ)

 鍼灸師/更年期ケア専門 和歌山・矢野鍼灸整骨院 院長

ホットフラッシュ・イライラ・不眠・倦怠感など、更年期に伴うつらい症状に対して、女性の体と心に寄り添う鍼灸施術を提供しています。ホルモンバランスの変化に伴う体調不良を、東洋医学の観点からやさしく整え、毎日を快適に過ごせるようサポートしています。

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