吐き気と頭痛を和らげるツボと応急処置!やってはいけないNG行動も解説 

自律神経に効果のあるツボを押す手

吐き気と頭痛が同時に起きると、日常生活に大きな支障が生じます。この記事では、片頭痛・熱中症・ストレスなど両症状が重なる主な原因をわかりやすく解説したうえで、内関・合谷・百会など症状を和らげる効果的なツボの位置と押し方、正しい水分補給や市販薬の使い方を含む自宅でできる応急処置の具体的な方法も詳しく紹介します。さらに症状を悪化させてしまうNG行動、救急車を呼ぶべき緊急の症状と早めに内科・神経内科を受診すべきサインについても解説します。つらい症状への正しい対処法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

1. 吐き気と頭痛が同時に起こる主な原因

吐き気と頭痛に悩む女性

吐き気と頭痛は、それぞれ単独で現れることも多いですが、同時に起こる場合には特定の原因が背景にあることがほとんどです。どちらの症状も身体からの重要なサインであり、原因を正しく把握することが適切な対処の第一歩となります。

原因 頭痛の特徴 吐き気が起こるしくみ
片頭痛 ズキズキ・ドクドクとした拍動性の痛み 三叉神経の刺激が自律神経を介して消化器系に影響する
熱中症・脱水症状 全体的な頭重感・締め付けられるような痛み 電解質バランスの乱れが消化機能に影響する
ストレス・緊張型頭痛 頭全体を締め付けられるような圧迫感 自律神経の乱れが胃腸の働きを低下させる
二日酔い・低血糖 拍動性または重苦しい頭痛 アセトアルデヒドや血糖値の低下が脳・胃腸に影響する
その他(感染症・血圧異常・脳疾患など) 突然の激しい頭痛、発熱を伴う頭痛など 原因によって異なる

1.1 片頭痛による吐き気と頭痛

片頭痛(へんずつう)は、吐き気と頭痛が同時に起こる原因として最もよく知られたものの一つです。日本では多くの方が片頭痛に悩んでいるとされており、特に20〜40代の女性に多い傾向があります。

片頭痛による頭痛は、頭の片側または両側にズキズキ・ドクドクと脈打つような拍動性の痛みが特徴です。痛みは4時間から72時間程度続くことがあり、日常生活に支障をきたすほど強くなることもあります。

片頭痛に吐き気が伴う理由は、脳内の三叉神経が刺激されて血管が拡張・炎症を起こし、その影響が自律神経を通じて消化器系に及ぶためと考えられています。吐き気のほかに嘔吐を伴うこともあります。

また、片頭痛では光や音、においに対して敏感になる「光過敏」「音過敏」「臭覚過敏」が生じやすく、これらの刺激がさらに吐き気を悪化させることがあります。

頭痛が始まる前に、視野の一部がキラキラと光って見えたり一部が欠けて見えたりする「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる視覚的な前兆が現れる方もいます。このような前兆がある場合は「前兆のある片頭痛」として区別されます。

片頭痛の主な誘発要因には、睡眠不足や過眠、強いストレスや緊張からの解放(いわゆる「週末頭痛」)、ホルモンバランスの変化(月経周期)、気圧の変化、アルコール(特に赤ワイン)、カフェインの過剰摂取や急な断絶などがあります。

1.2 熱中症・脱水症状が引き起こす吐き気と頭痛

夏場の屋外活動や高温多湿な環境での作業後に、吐き気と頭痛が同時に現れた場合は、熱中症や脱水症状が原因となっている可能性が高いです。

熱中症は、体内の水分・塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能が正常に働かなくなったりすることで発症します。体温が上昇すると脳への血流に影響が及び、頭痛が引き起こされます。また、体内の水分や電解質が失われることで消化機能にも影響が出て、吐き気が現れます。

脱水症状は、気温の高い日だけでなく、スポーツ中や発熱時、下痢・嘔吐が続いているときにも起こります。特に子どもや高齢者は体内水分量の変化に敏感で、軽度の脱水でも吐き気と頭痛が現れやすいため注意が必要です。

熱中症の重症度は3段階に区分されています。軽度ではめまいや立ちくらみが主な症状ですが、中等度では頭痛・吐き気・倦怠感・集中力の低下が顕著になります。重度では意識障害やけいれんを引き起こすこともあるため、速やかな対処が求められます。

1.3 ストレスや緊張型頭痛との関係

頭痛の中で最も患者数が多いとされる「緊張型頭痛」も、吐き気を伴うことがあります。緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢でのデスクワークやスマートフォンの使用、精神的なストレスや慢性的な疲労によって、首・肩・頭部まわりの筋肉が緊張し凝り固まることで起こります。

緊張型頭痛の痛みは、頭全体をじわじわと締め付けられるような重苦しい圧迫感が特徴です。片頭痛のような拍動性の痛みとは異なり、体を動かしても症状が悪化しにくいことが多いですが、後頭部から首・肩にかけての重さやこりを伴うことが多くあります。

ストレスや疲労が蓄積すると自律神経のバランスが乱れ、胃腸の働きにも影響が出ます。その結果、食欲不振や胃もたれ、吐き気が頭痛と同時に現れることがあります。

また、強いストレス状態が続くと脳内の神経伝達物質のバランスが変化し、消化器系の不調を引き起こすことも知られています。なお、ストレスは片頭痛の誘発・悪化因子でもあるため、緊張型頭痛と片頭痛が混在した状態となる場合もあります。

1.4 二日酔いや低血糖による症状

アルコールを大量に摂取した翌日に経験する二日酔いは、吐き気と頭痛が同時に現れる典型的な状況の一つです。アルコールは体内で「アセトアルデヒド」という有害物質に分解され、この物質が吐き気・頭痛・倦怠感の原因となります。さらに、アルコールには利尿作用があるため脱水状態を引き起こしやすく、それが頭痛をさらに悪化させることがあります。

また、アルコールには血管を拡張させる作用があり、この血管拡張が片頭痛に似た拍動性の頭痛を引き起こすことがあります。特に赤ワインやビールはチラミンやヒスタミンなどの成分を含み、頭痛を誘発しやすいとされています。

一方、低血糖とは血液中のブドウ糖(血糖値)が正常範囲を下回った状態のことです。空腹の時間が長くなったとき、食事を抜いたとき、または過度な運動をしたときに起こりやすく、頭痛・吐き気・冷や汗・手の震えなどの症状が現れます。

脳はエネルギー源としてブドウ糖をほぼ唯一の燃料としているため、血糖値が下がると脳の機能が低下して頭痛が生じます。同時に、身体がストレス反応としてアドレナリンを分泌することで吐き気や動悸が引き起こされます。ダイエット中の方や不規則な食生活を送っている方は特に注意が必要です。

1.5 注意が必要なその他の原因

吐き気と頭痛が同時に起こる原因には、上記で紹介したもの以外にも見逃してはならないものがあります。以下の原因による場合は、症状が急速に悪化したり、深刻な状態に陥ったりするリスクがあります。

原因 症状の特徴 注意すべきポイント
くも膜下出血 突然の「今まで経験したことのない激しい頭痛」と嘔吐 命に関わる可能性があるため、すぐに救急車を呼ぶ必要がある
髄膜炎・脳炎 発熱を伴う頭痛・嘔吐・首の硬直(項部硬直) 感染症による脳や髄膜の炎症で、速やかな対応が必要
急性緑内障発作 目の激しい痛み・充血・頭痛・吐き気・視力低下 眼圧の急激な上昇による緊急事態で、早急な対応が必要
高血圧クリーゼ 後頭部を中心とした強い頭痛・吐き気・めまい 血圧が急激に上昇する状態で、速やかな対処が必要
風邪・インフルエンザ 発熱・全身倦怠感・頭痛・吐き気 インフルエンザは急激な高熱と関節痛を伴うことが多い
月経前症候群(PMS) 月経開始前に繰り返し起こる頭痛・吐き気・むくみ ホルモンバランスの変化が原因で、毎月周期的に現れる
乗り物酔い(動揺病) 乗り物の揺れ中に起こる吐き気・頭痛・冷や汗 内耳の平衡感覚と視覚情報のズレが原因となる

特に、突然始まった経験のないほどの激しい頭痛や、発熱・首の硬直・意識の混濁を伴う頭痛と吐き気は、緊急性の高い状態のサインである可能性があります。このような症状が現れた場合は、自己判断せずに速やかに救急対応を取ることが重要です。

2. 吐き気と頭痛を和らげる効果的なツボの位置と押し方

健康管理の画像

ツボ押し(指圧)は、東洋医学の考えに基づいて体の特定の部位を刺激することで、体内のエネルギーの流れを整え、不調を改善する方法です。

吐き気や頭痛に対して有効とされるツボは複数存在し、道具を使わずに手軽にセルフケアができる点が特徴です。

以下では、吐き気を抑えるツボと頭痛を和らげるツボに分けて、それぞれの正確な位置と効果的な押し方を詳しく解説します。

2.1 吐き気を抑えるのに効くツボ

吐き気は、胃腸の働きの乱れや自律神経のバランスの崩れによって引き起こされることが多い症状です。

東洋医学では、胃腸の経絡(気の流れる通路)と関連するツボを刺激することで、胃の緊張を和らげ、吐き気を抑える効果が期待できると考えられています。

吐き気に効果的な代表的なツボは以下の3つです。

ツボ名 位置の目安 主に期待できる効果
内関(ないかん) 手首の内側から指3本分上の中央 吐き気・乗り物酔い・胃の不快感の緩和
足三里(あしさんり) 膝の皿の外側下端から指4本分下 胃腸の機能調整・吐き気・食欲不振の改善
中脘(ちゅうかん) みぞおちとへその中間点 胃の不調・膨満感・吐き気の緩和

2.1.1 内関(ないかん)の位置と押し方

内関は、吐き気を抑えるツボとして特によく知られており、乗り物酔いや妊娠初期のつわりへの対応にも活用されることがあります。

手首に位置するため、場所を問わず手軽に刺激できるのが特徴です。

内関の位置は、手首の内側(手のひら側)の横ジワから肘の方向へ指3本分(約5cm)たどった中央部分で、2本の腱(すじ)の間のくぼみにあります。

押し方は次のとおりです。

反対の手の親指の腹を使って、ツボの位置に垂直に当てます。

「痛気持ちいい」と感じる強さで、息を吐きながら3〜5秒ゆっくりと押します。

息を吸いながら力をゆっくりと抜き、この動作を5〜10回繰り返します。

左右両方の手首で行うと、より効果的です。

強く押しすぎると不快感が増すことがあるため、力の入れすぎには注意が必要です。

2.1.2 足三里(あしさんり)の位置と押し方

足三里は、消化機能を整える代表的なツボとして東洋医学で広く知られています。

吐き気・食欲不振・胃もたれなど、胃腸にまつわる不調全般に対して効果が期待されます。

足三里の位置は、膝の皿(膝蓋骨)の外側の下端から指4本分(約10cm)まっすぐ下がった部分で、すねの骨(脛骨)の外側の際にあります。

指で押したときに「ズーン」とした重い感覚があれば、正しい位置を押せています。

押し方は次のとおりです。

親指の腹を使い、「痛気持ちいい」と感じる強さでしっかりと押します。

1回5秒程度押したら、ゆっくりと力を抜きます。

これを左右それぞれ5〜10回繰り返します。

椅子に座った姿勢で行うと、ツボへのアクセスが容易になります。

2.1.3 中脘(ちゅうかん)の位置と押し方

中脘は、胃の機能と直接関わりが深いとされるツボで、吐き気のほか、胃のもたれや膨満感、消化不良の改善にも効果が期待できます。

お腹の正面に位置するため、仰向けの姿勢で刺激するのに適しています。

中脘の位置は、みぞおち(胸骨の下端)とへその中間点にあたる、お腹の正面の中央部分です。

押し方は次のとおりです。

仰向けに寝た状態で、両手の中指を重ねてツボに当てます。

息を吐きながら、体の中心に向かって垂直にゆっくりと押します。

3〜5秒押したら、息を吸いながらゆっくりと力を抜きます。

これを3〜5回程度繰り返します。

食後すぐや吐き気が強いときは強い刺激を避け、様子を見ながら行ってください。

2.2 頭痛を和らげるのに効くツボ

頭痛は、頭部や首周りの筋肉の緊張、血行不良、ストレスなどさまざまな要因で引き起こされます。

該当するツボを適切に刺激することで、血流を促進し、筋肉の緊張をほぐすことで頭痛の緩和が期待できます。

頭痛の緩和に効果的な代表的なツボは以下の3つです。

ツボ名 位置の目安 主に期待できる効果
合谷(ごうこく) 手の甲の親指と人差し指の骨の付け根の間 頭痛・肩こり・歯痛の緩和
百会(ひゃくえ) 頭頂部の中央(両耳を結ぶ線と頭の中心線の交点) 頭痛・めまい・精神的ストレスの緩和
風池(ふうち) 後頭部の髪の生え際にある左右のくぼみ 後頭部の頭痛・首こり・目の疲れの緩和

2.2.1 合谷(ごうこく)の位置と押し方

合谷は、鎮痛作用をもつとされる代表的なツボで、頭痛だけでなく肩こりや歯痛など幅広い痛みに対して効果が期待されます。

手の甲にあるため、いつでもどこでも手軽に刺激できる点が特徴です。

合谷の位置は、手の甲側で親指と人差し指の骨が合流するV字形のくぼみの、やや人差し指側に寄った部分です。

反対の手の親指で押したときに「ズーン」と響くような感覚があれば、正しい位置を押せています。

押し方は次のとおりです。

反対の手の親指と人差し指でつまむように支えながら、親指の腹でツボを垂直に押します。

「痛気持ちいい」と感じる強さで、1回3〜5秒かけてゆっくり押します。

息を吐きながら押し、息を吸いながら力を抜くと効果的です。

これを5〜10回繰り返し、左右どちらも行います。

妊娠中の方は合谷を強く刺激することを避けてください。子宮の収縮を促す作用があるとされており、注意が必要です。

2.2.2 百会(ひゃくえ)の位置と押し方

百会は「百の経絡が集まる場所」とも呼ばれる重要なツボで、頭部全体の血行を促進し、頭痛やめまいの緩和に効果が期待されます。

特に、ストレスや疲れからくる緊張型頭痛のセルフケアとしてよく活用されます。

百会の位置は、両耳の穴を結んだ線と、鼻筋から頭の真上に向かって伸びる正中線(頭の中心を前後に走る線)が交わる、頭頂部の中央です。

頭のてっぺんを触ると、わずかなくぼみを感じる部分がツボにあたります。

押し方は次のとおりです。

両手の中指を重ねてツボに当てます。

頭蓋骨に向かって垂直に、息を吐きながら3〜5秒ゆっくりと押します。

息を吸いながらゆっくりと力を抜き、これを5〜10回繰り返します。

座った姿勢や仰向けに寝た状態でも行えるため、頭痛がつらいときでも無理なく実践できます。

2.2.3 風池(ふうち)の位置と押し方

風池は、後頭部から首にかけての血行を改善し、後頭部の頭痛や首こりに特に効果が高いとされるツボです。

目の疲れや肩こりを伴う頭痛にも対応できるため、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による頭痛のケアにも適しています。

風池の位置は、後頭部の髪の生え際にある2本の大きな首の筋肉(僧帽筋)の外側の縁と後頭骨の下端が接するくぼみで、左右に1か所ずつあります。

押し方は次のとおりです。

両手を後頭部に回し、左右の親指をそれぞれのツボに当てます。

頭の中心に向かって斜め上方向へ、「ズーン」と響く感覚を感じながらゆっくりと押します。

1回3〜5秒押したら、ゆっくりと力を抜きます。

これを5〜10回繰り返します。

首を軽く後方に傾けながら行うと、ツボへのアプローチがしやすくなります。

強く押しすぎると痛みが増すことがあるため、力加減は「気持ちいい」と感じる範囲に留めてください。

3. 吐き気と頭痛への応急処置の方法

自律神経専門の女性医師

吐き気と頭痛が同時に起きたとき、まず大切なのは症状を悪化させずに体を落ち着かせることです。適切な応急処置を早めに行うことで症状を和らげ、回復を促すことができます。ここでは、自宅でできる具体的な対処法を順に解説します。

3.1 安静にして体を楽な姿勢で休める

吐き気と頭痛を感じたら、まず動くことをやめ、静かな場所で横になることが基本です。体を動かすと頭への振動や血流の変化が症状を悪化させることがあるため、できるだけ早く安静な状態を確保することが重要です。

横になるときは、仰向けよりも横向きの姿勢が安全です。吐き気が強い状態で仰向けに寝ると、万が一嘔吐した際に気道をふさぐリスクが生じます。体を横に向け、頭をやや高めにした姿勢を取ることで、気道を確保しながら楽に休むことができます。

部屋の環境を整えることも欠かせません。カーテンを閉めて部屋を暗くし、静かな環境をつくることで、光や音による余分な刺激を遮断できます。室温が高い場合は換気やエアコンを活用して適度に調整し、体に熱がこもらないよう気をつけてください。

3.2 正しい水分補給のやり方

吐き気があると水を飲むことに抵抗を感じる方も多いですが、水分不足は頭痛をさらに悪化させる原因になります。適切な水分補給は、体の回復を助けるうえで欠かせないステップです。

一度にまとめて水を飲むと胃に負担がかかり、吐き気が強くなることがあります。ひとくち分ずつ、少量をゆっくりと口に含むようにして飲むことが基本です。スプーン1杯程度から始め、様子を見ながら少しずつ量を増やしていきましょう。

飲み物の選び方も重要です。冷たすぎる飲み物は胃を刺激するため、常温の水や麦茶、または体温に近い温かい飲み物が適しています。発汗や嘔吐によって体内の電解質が失われている場合は、経口補水液(オーエスワンなど)を少量ずつ補うことも効果的です。一方、炭酸飲料やカフェインを含む飲み物、アルコールは胃腸や血管への刺激が強いため、症状が落ち着くまで避けましょう。

嘔吐が続いているうちは無理に水を飲もうとせず、嘔吐がひと段落してから静かに水分補給を始めることが大切です。

3.3 冷やす・温めるの使い分け

吐き気と頭痛への対処では、症状の原因や特徴に応じて「冷やす」か「温める」かを使い分けることが重要です。誤った方法を選ぶと症状を悪化させる可能性があるため、以下の表を参考に状況に合った対処法を選択してください。

状況・症状の特徴 対処法 具体的な方法とポイント
ズキズキと脈打つような片頭痛 冷やす こめかみや額に、タオルで包んだ保冷剤や冷たいタオルを当てる
熱中症・発熱に伴う頭痛・吐き気 冷やす 首の後ろ・脇の下・太ももの付け根など太い血管のある部位を重点的に冷やす
首・肩のこりからくる緊張型頭痛 温める 温かいタオルや市販のホットパックを首や肩に当て、血行を促す
体の冷えによる腹部不調・吐き気 温める カイロや温かいタオルをお腹や腰に当てて温める
ストレスや疲労による頭痛・吐き気 温める 肩や首を温めて筋肉のこわばりをほぐし、リラックスを促す

冷やす場合は、保冷剤や氷をタオルで包んで使い、素肌に直接当てないようにすることが基本です。長時間当て続けると凍傷や血行障害を招く恐れがあるため、1回につき15〜20分を目安に使用してください。

温める場合も、低温やけどを防ぐために衣服やタオルの上から当てることが大切です。冷やすべきか温めるべきか判断に迷ったときは、当てたときに「気持ちよい」と感じるほうを選ぶことが一つの目安になります。

3.4 市販薬を使うときのポイント

症状がつらい場合は、市販薬を使って一時的に和らげる方法があります。ただし、市販薬はあくまで対症療法であり、使用上の注意や添付文書に記載された用法・用量を必ず守ることが前提です。

頭痛に対しては鎮痛薬が主に使われます。代表的な成分と市販薬の特徴を以下にまとめます。

成分名 代表的な市販薬の例 特徴と注意点
イブプロフェン イブ(SS製薬) 炎症を抑える作用があり、緊張型頭痛にも用いられる。空腹時の服用は胃への負担が大きいため、食後または食事と一緒に服用することが望ましい
アセトアミノフェン タイレノールA(ジョンソン・エンド・ジョンソン) 胃への刺激が比較的少なく、吐き気がある状態でも使いやすい。定められた用量を超えると肝臓への負担が増すため、過剰摂取には十分注意する
アスピリン(アセチルサリチル酸) バファリンA(ライオン) 解熱・鎮痛作用がある。15歳未満への使用は禁忌とされており、胃腸が弱い方も慎重に使用する必要がある

吐き気に対しては、市販の胃腸薬が症状を和らげる助けになることがあります。乗り物酔いに伴う吐き気には乗り物酔い止め薬も用いられますが、眠気が現れる成分が含まれる場合があるため、服用後は車の運転や危険を伴う作業を控えてください。

複数の市販薬を同時に服用すると成分が重複し、過剰摂取になるリスクがあるため、使用は1種類にとどめることが基本です。妊娠中・授乳中の方、持病がある方、現在ほかの薬を服用中の方は、市販薬の使用前に薬剤師に相談することを検討してください。

4. 吐き気と頭痛があるときにやってはいけないNG行動

自律神経失調症で頭を抱える女性

吐き気と頭痛に同時に悩まされているとき、早く楽になりたいという焦りから、症状をさらに悪化させてしまう行動をとることがあります。よかれと思ってとった行動がかえってNG行動になっているケースも少なくありません。以下の4つのNG行動をしっかり確認し、症状を長引かせないようにしましょう。

NG行動 主なリスク 代わりに取るべき行動
無理に食事をとること 胃腸への負担増加・嘔吐の誘発 水分補給を優先し、回復後に消化の良いものから少量ずつ食べる
スマートフォン・パソコンを長時間見ること 光刺激による頭痛の悪化・眼精疲労の蓄積 画面から離れ、暗く静かな場所で目を閉じて安静にする
激しい運動や熱い入浴をすること 体温・血圧の急上昇による症状悪化・脱水の進行 ぬるめのシャワー程度にとどめ、横になって安静を保つ
鎮痛剤を必要以上に飲みすぎること 薬物乱用頭痛のリスク・胃粘膜への負担 用法・用量を守り、頻繁な使用は避ける

4.1 無理に食事をとること

「何か食べれば楽になるかもしれない」と考えて、吐き気があるにもかかわらず無理に食事をとろうとする方がいますが、これは逆効果になる可能性が高いです。

吐き気があるときは胃腸の動きが乱れており、食物を正常に消化できる状態ではありません。そのような状態で無理に食事をとると、胃腸への負担がさらに増し、嘔吐を誘発するリスクが高まります。

また、消化活動に多くのエネルギーが使われてしまうため、体全体の回復が遅くなることもあります。

症状が出ているあいだは食事を無理にとろうとせず、まずは水分補給を優先することが大切です。吐き気が落ち着いてきたら、うどんやおかゆなど消化の良いものから少量ずつ試してみてください。

4.2 スマートフォンやパソコンを長時間見続けること

頭痛や吐き気があるとき、気を紛らわせようとスマートフォンやパソコンの画面を見続けることは避けてください。

画面から発せられる強い光や液晶特有のちらつきは、目への強い刺激となります。特に片頭痛がある場合は光過敏(光の刺激に対して過剰に反応する状態)が起きやすく、画面の光が頭痛を急激に悪化させることがあります。

また、画面を集中して見ることで目の筋肉が酷使され、眼精疲労による頭痛がさらに強まることにもつながります。

さらに、画面を見るときの前傾姿勢や下を向いた姿勢は首や肩の筋肉を緊張させ、緊張型頭痛を悪化させる原因にもなります。

症状があるあいだは、スマートフォンやパソコンの使用をできる限り控え、暗くて静かな場所で目を閉じて安静にすることが大切です。

4.3 激しい運動や熱い入浴をすること

「汗をかけばすっきりするかもしれない」「熱いお湯でリラックスすれば楽になる」と思って、吐き気と頭痛があるときに激しい運動や熱い入浴をするのは控えてください。

激しい運動によって心拍数が上昇すると、頭部への血流が急激に増加し、頭痛が悪化しやすくなります。

運動による大量の発汗や体温の上昇は脱水状態を進行させ、吐き気や頭痛の症状をより一層強める原因になります。

熱いお湯での入浴も同様のリスクがあります。湯船に長時間つかると体温と血圧が急上昇し、頭痛がさらに悪化することがあります。特に熱中症や片頭痛が原因で症状が出ているときは、体温の上昇は大敵となります。

どうしても入浴が必要な場合は、ぬるめのシャワーで手短に済ませるか、体を拭く程度にとどめるようにしましょう。

4.4 鎮痛剤を必要以上に飲みすぎること

頭痛がつらいとき、市販の鎮痛剤に頼りたくなる気持ちはよく理解できます。しかし、鎮痛剤の過剰使用には十分な注意が必要です。

市販の解熱鎮痛剤(イブプロフェン・ロキソプロフェン・アセトアミノフェンなど)を月に15日以上継続して服用していると、「薬物乱用頭痛」と呼ばれる状態になるリスクがあります。薬物乱用頭痛とは、鎮痛剤を服用しないと頭痛が起きやすくなる慢性的な頭痛であり、放置すると頭痛が月に15日以上続く状態に陥ることもあります。

また、イブプロフェンやアスピリンなど胃粘膜を刺激しやすい成分を含む鎮痛剤は、空腹時に服用するともともとある吐き気をさらに悪化させることがあります。

鎮痛剤を使用する際は、薬の添付文書に記載された用法・用量を必ず守り、自己判断で服用回数や量を増やさないことが基本です。頻繁に鎮痛剤を使用せざるを得ない状況が続く場合は、自己判断での服用を続けることは控えましょう。

5. 吐き気と頭痛で病院をすぐに受診すべき危険なサイン

自律神経のチェックの画像

吐き気と頭痛の多くは、安静にして水分を補給することで自然に回復していきます。
しかし、なかには脳や神経に関わる重大な病気が原因となっているケースもあります。
症状の種類や現れ方によっては、すぐに医療機関へ向かうことが命を守ることに直結します。
以下のサインに当てはまる場合は、自己判断で様子をみることなく、速やかに対応することが大切です。

5.1 救急車を呼ぶべき緊急の症状

次のような症状が突然現れた場合は、すぐに119番へ連絡して救急車を呼んでください。
自分や周囲の人が以下の状態になったときは、一人で移動しようとせず、安全な場所でその場にとどまることが重要です。

緊急を要する症状 疑われる原因 特徴・注意点
「今まで経験したことがない」ほどの突然の激しい頭痛 くも膜下出血 「雷鳴頭痛」とも呼ばれ、秒単位で最大の痛みに達する
意識がなくなる・呼びかけに反応しない・意識がもうろうとしている 脳出血・脳梗塞 意識レベルの低下は脳への重大なダメージを示すサイン
顔の歪み・手足の麻痺やしびれ・ろれつが回らない・言葉が出ない 脳卒中(脳梗塞・脳出血) 「FAST」(顔・腕・言葉・時間)のチェックが発見の鍵となる
全身のけいれん・体が硬直して震える てんかん発作・脳炎 けいれんが5分以上続く場合は特に危険
38℃以上の高熱・首の後ろが硬くて前に倒せない(項部硬直) 細菌性髄膜炎・脳炎 頭痛・発熱・項部硬直の3つがそろうと髄膜炎を強く疑う
視野の一部が欠ける・物が二重に見える・突然の視力低下 脳腫瘍・脳卒中 眼の症状を伴う頭痛は神経系の異常を示す可能性がある

特に注意が必要なのが、「今まで経験したことがないほどの激しい頭痛」が突然発症するパターンで、これはくも膜下出血の典型的なサインです。
くも膜下出血は脳の表面を覆う膜の内側で血管が破れて出血する病気で、発症後の対処が遅れるほど後遺症や死亡リスクが高まります。

また、脳卒中の症状を素早く見分けるには「FAST」という方法が役立ちます。
顔(Face:顔の歪み)・腕(Arm:腕の麻痺)・言葉(Speech:ろれつが回らない)・時間(Time:発症時刻の確認)の4つを確認し、一つでも当てはまれば迷わず119番へ連絡することが重要です。

5.2 早めに内科や神経内科を受診すべき症状

救急を要するほどではなくても、次のような症状が続いている場合は早めに内科や神経内科で診察を受けることをおすすめします。
放置すると症状が悪化したり、別の病気の発見が遅れたりするリスクがあります。

早めの受診が必要な症状 考えられる原因・背景
吐き気と頭痛が繰り返し起こり、頻度が増している 片頭痛の悪化・慢性頭痛
市販の鎮痛剤が効きにくくなっている・服用頻度が月に10日以上になっている 薬物乱用頭痛(MOH)
頭を打った後(数日〜数週間後)に頭痛や吐き気が続いている 脳震盪・慢性硬膜下血腫
数日から数週間にわたって頭痛が続き、徐々に強くなっている 脳腫瘍・頭蓋内圧の上昇
朝起きたときに頭痛や吐き気が特に強い 脳圧の上昇・睡眠時無呼吸症候群
めまい・ふらつき・平衡感覚の乱れを伴う頭痛と吐き気がある メニエール病・前庭神経炎・小脳の疾患
発熱・全身の倦怠感・食欲不振を伴う頭痛と吐き気が続いている 感染症・自律神経の乱れ

特に見落とされやすいのが、頭部への打撲から数日〜数週間が経過した後に頭痛や吐き気が現れる「慢性硬膜下血腫」です。
軽い打ちつけでも発症することがあり、打撲自体を忘れているケースも珍しくありません。
心当たりがある場合は、症状が軽くても早めに検査を受けることが重要です。

また、市販の鎮痛剤を月に10日以上服用している場合は、薬物乱用頭痛(MOH)と呼ばれる状態に陥っている可能性があります。
薬物乱用頭痛とは、鎮痛剤を飲みすぎることによって頭痛が慢性化する状態のことで、適切な対処によって改善できます。
吐き気と頭痛が慢性的に続く場合は、自己判断で薬の量を増やすことなく、専門の医療機関への相談をおすすめします。

6. まとめ

吐き気と頭痛が同時に起こる原因は、片頭痛・熱中症・ストレス・二日酔いなどさまざまです。内関や合谷などのツボ押しや、安静・水分補給といった応急処置が症状の緩和に役立ちます。一方で、無理な食事や長時間のスマートフォン使用、鎮痛剤の飲みすぎはNG行動です。突然の激しい頭痛や意識障害がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。症状が繰り返す場合は、早めに内科や神経内科を受診しましょう。

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【この記事を書いた人】

 矢野泰宏(やの やすひろ)

 鍼灸師/自律神経ケア専門 和歌山・矢野鍼灸整骨院 院長

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参考サイト

おおるり脳外科クリニック 吐き気を伴う頭痛

自律神経からくる吐き気が辛いあなたへ。原因を知って根本から改善する方法 

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矢野鍼灸整骨院

〒640-8425
和歌山県和歌山市松江北5丁目10-7
南海電鉄加太線中松江駅より徒歩5分 駐車場6台

完全予約制

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9:00~12:00 / 15:30~20:30(最終受付19時50分)

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8:30~16:00(最終受付15時)

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