自律神経失調症とは?原因・症状・治し方を専門家がわかりやすく解説

自律神経失調症に悩む女性

自律神経失調症とは何か、原因や特徴的な症状、診断方法、効果的な治療やセルフケアについて、医学的根拠や専門知識をもとにわかりやすく詳しく解説します。この記事を読むことで、自律神経失調症の正しい理解と対策を身につけ、日常生活の不調改善や予防に役立つ具体的な方法まで知ることができます。

1. 自律神経失調症とは そもそも自律神経の働きから解説

1.1 体の機能を自動調整する自律神経の仕組み

自律神経は、意識しなくても心臓や呼吸、消化など生命を維持するために欠かせない体内の機能をコントロールしています。具体的には、血圧や体温調節、内臓の働きなどを24時間体制で自動的に調整し、私たちの体を最適な状態に保っています。

こうした働きのおかげで、環境の変化や日々の活動に応じて、体が適切に反応できる仕組みが成り立っています。

1.2 交感神経と副交感神経のバランスが重要

自律神経は大きく「交感神経」と「副交感神経」に分かれ、それぞれ対照的な役割を担っています。交感神経は「活動モード」、副交感神経は「休息モード」とも言われ、下記のような働きがあります。

神経の種類 主な働き
交感神経 心拍数や血圧を上げ、活動時やストレス時に体を活発にする
副交感神経 心拍数を下げ、消化を促し、安静時や睡眠時にリラックスさせる

これら両方の神経がバランスよく機能することで、健康な心身の状態が保たれます。

1.3 自律神経失調症はバランスが崩れた状態

自律神経失調症とは、この交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、体や心にさまざまな不調が現れた状態を指します。

たとえば、過度なストレスや生活リズムの乱れなどが原因となり、自律神経の調節機能がうまく働かなくなることで、不快な症状や体調不良が慢性的に続くことがあります。この状態になると、特定の検査で異常がみつからない場合でも、日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

2. 自律神経失調症の主な原因 特定は難しいが要因は様々

自律神経失調症をサポートする看護師

自律神経失調症の発症には、明確な一つの原因を断定することは困難ですが、複数の生活環境や身体的・心理的要因が複雑に絡み合っていることが多いです。以下によく見られる主な要因を整理します。

主な原因 内容 具体例
過度なストレス 精神的・身体的な強い負担が継続することで自律神経のバランスが乱れやすくなります。 仕事や人間関係のプレッシャー、過重労働、大きな人生の転機など
不規則な生活習慣 生活リズムの乱れは自律神経の働きにも影響します。特に夜更かしや睡眠不足、食事時間の不規則化が挙げられます。 睡眠時間の変動、夜型生活、バランスの悪い食生活など
環境の変化 住環境や職場など、日常生活の環境が急激に変わることにも影響を受けやすくなります。 引っ越し、転職、進学、生活圏の変化
女性ホルモンの変動 特に女性の場合、ホルモンバランスの変化が自律神経に影響を及ぼすことがあります。 更年期、月経前症候群、産後など
生まれ持った体質や性格傾向 持続的な緊張を感じやすい体質や、まじめで責任感の強い性格も発症の一因となることがあります。 不安になりやすい、考え込みやすい性格、感受性が強いなど

2.1 過度なストレス 精神的 身体的負担

長期間にわたる心理的プレッシャーや急激なストレスは、自律神経のバランスを大きく崩しやすい要因です。現代社会では、仕事や人間関係によるストレスのほか、コロナ禍など社会的な背景も関係していると言えます。

2.2 不規則な生活習慣 睡眠不足や食生活の乱れ

睡眠の質や生活リズムの乱れは、自律神経へ悪影響を及ぼします。慢性的な睡眠不足や栄養バランスの偏った食事も、体の自然なリズムを不安定にしやすくなります

2.3 環境の変化 引っ越しや転職など

生活環境が大きく変わると、適応するために強いストレスがかかります。環境の変化が自律神経に負担を与え、バランスを崩す引き金になることがあります。

2.4 女性ホルモンの影響 更年期や月経周期

女性はホルモンバランスに揺らぎが生じやすく、更年期や月経前後には自律神経失調症の症状が強くあらわれやすい特徴があります。

2.5 生まれ持った体質や性格的要因

生まれつき緊張しやすい、繊細で感受性が強いといった体質や性格的な傾向も、自律神経失調症のリスクを高める要素です。性格は変えられない部分もありますが、体質を理解し無理をしすぎないことも大切です。

3. こんな症状はありませんか?自律神経失調症のサイン

自律神経失調症をチェックする問診票

自律神経失調症は、体と心の両方に多様な症状が現れることが特徴です。特定の病気が見つからないにもかかわらず、体調不良や精神的不調を日常的に感じる場合、自律神経のバランスの乱れが関係していることがあります。ここでは主なサインについて、身体的な症状と精神的な症状に分けて分かりやすくまとめます。

3.1 全身に現れる身体的な症状

自律神経失調症の身体的な症状は人によって現れ方が異なり、日常生活に支障をきたす場合もあります。特に朝や夕方、ストレスが強い時期に症状が出やすいことが特徴です。

主な身体症状 症状の具体例
頭痛・めまい・ふらつき 慢性的な頭の重さ、立ちくらみ、突然目の前が暗くなる感覚
動悸・息切れ・胸の圧迫感 心臓がドキドキする、息が吸いづらい、胸が締め付けられる感覚
胃腸の不調 食欲不振、胃痛、吐き気、便秘や下痢が繰り返される
倦怠感・疲れやすさ 十分な休養をとっても疲れが取れない、体がだるい
肩こり・手足のしびれ・冷え 肩や首の重だるさ、手足の感覚が鈍い、冷たさを感じやすい
発汗異常・微熱 汗をかきやすい、逆に汗が出ない、原因不明の微熱が続く

3.2 心に現れる精神的な症状

自律神経の乱れは心にも影響を与えやすく、精神的な不調を感じている場合も自律神経失調症が関係している可能性があります。些細なことで気分が揺れたり、日常の意欲や集中力が低下することもあります。

主な精神症状 症状の具体例
不安感・イライラ・焦燥感 理由もなく不安になる、落ち着かない、急かされていると感じる
意欲低下・集中力低下 やる気が出ない、物事に打ち込めない、注意がそれやすい
抑うつ気分 気分が落ち込みやすい、何も楽しく感じられない
不眠・寝付きの悪さ・途中覚醒 なかなか眠れない、夜中に目が覚める、眠っても疲れが残る

これらの症状は単独で現れることもあれば、複数が同時に現れる場合もあります。症状が長期化したり、日常生活に支障を感じた場合は早めに対策を検討することが大切です。

4. 自律神経失調症かも?と思ったら 病院での診断と検査

自律神経専門の女性医師

自律神経失調症が疑われる場合は、まず早めに適切な医療機関を受診し、専門家の診断を受けることが大切です。自己判断では他の疾患を見逃してしまう恐れもあるため、正確な診断を受けて安心することが重要です。

4.1 何科を受診すればいい? 心療内科・精神科・内科など

自律神経失調症が疑われるときは、心身の両面から診てもらうことができる「心療内科」や「精神科」、自覚症状が強い場合は「内科」でも対応が可能です。 受診の際には、現在の症状や生活の変化、ストレスの有無なども詳しく伝えることが重要です。

症状の主な内容 推奨される診療科
ストレスや不安、精神的な不調が強い場合 心療内科・精神科
動悸・頭痛・胃腸の不調など身体症状が中心 内科

4.2 診断の流れ 問診と症状の確認が中心

診断の際は問診による現在の症状や生活環境、これまでの病歴についての聞き取りが行われます。身体的な異常がないかを調べるため、体温測定や血圧測定なども実施されます。

診断基準としては「日常生活に支障をきたしているか」「複数の不調があるか」など、心身両面から総合的に評価されます。

4.3 行われる可能性のある検査 血圧測定・血液検査・心電図など

自律神経失調症と他の疾患との区別のため、様々な検査が行われる場合があります。主に次のような検査が実施されます。

検査名 目的・確認事項
血圧測定 起立時や安静時の血圧変動をチェック
血液検査 ホルモンバランスや隠れた疾患の有無を調べる
心電図 心臓のリズム・不整脈の有無を確認
自律神経機能検査 交感神経・副交感神経のバランスを測定

これらの検査は、他に原因となる病気が隠れていないかどうかを調べつつ、総合的に自律神経失調症かどうか診断するために行われます。

4.4 他の病気との鑑別診断 うつ病や不安障害との違い

自律神経失調症の症状は、うつ病やパニック障害、不安障害など他の精神的な病気や、甲状腺疾患などの内科的な疾患と類似する場合があります。

鑑別のポイントは、症状の現れ方や背景、生活習慣の乱れ、心理的要因などを総合的に判断することです。 適切な診断のためには、一人で悩まず現状を整理して相談することが大切です。

5. 自律神経失調症の治し方 治療法と自分でできるセルフケア

自律神経を整えるヨガのインストラクター

5.1 病院で行われる主な治療法

自律神経失調症の治療では、薬物療法や心理療法、理学療法などの多角的なアプローチが取られます。症状や背景に応じて、個々に合った治療法を選択することが重要です。下記の表に、主な治療方法の概要を示します。

治療法 特徴・目的 具体例
薬物療法 症状の緩和や日常生活への影響を減らす 抗不安薬、睡眠導入剤、漢方薬
心理療法 ストレスや思考の偏りにアプローチ カウンセリング、認知行動療法
理学療法 身体のリラックスや不快症状の軽減 自律訓練法、マッサージ

5.2 自分でできるセルフケア 生活習慣の改善

日々の生活習慣の見直しやセルフケアの実践は、自律神経のバランスを整える上でとても大切です。無理なく取り入れられる方法を、できることから試してみましょう。

5.2.1 規則正しい生活リズムを作る

毎日同じ時間に起きて寝ることで、睡眠リズムが安定し、自律神経の乱れを防げます。昼夜逆転や寝る直前までスマートフォンを操作する習慣は避けましょう。

5.2.2 バランスの取れた食事を心がける

和食を基本とした栄養バランスの良い食事を心がけ、不足しがちなビタミンやミネラルも意識して摂取します。過度なカフェインやアルコール摂取は控えめにしましょう。

5.2.3 質の高い睡眠をとる工夫

寝る前は明るい光を避け、リラックスできる音楽や深呼吸などで心身を落ち着かせ、睡眠環境を整えることが効果的です。

5.2.4 適度な運動を取り入れる ウォーキング ヨガなど

軽い有酸素運動は、自律神経の調整力を高めます。ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、毎日少しずつ続けることがポイントです。

5.3 ストレスマネジメントとリラックス法

ストレスへの気づきと対処法の習得も自律神経失調症からの回復には欠かせません。自分なりのストレス対処法を見つけてみましょう。

5.3.1 ストレスの原因と向き合う

何にストレスを感じているのか整理することで、具体的な解決策が見えてきます。可能な範囲で負担の軽減も検討してみましょう。

5.3.2 自分に合ったリラックス法を見つける 呼吸法 入浴 音楽など

呼吸法や深呼吸、ゆったりとした入浴、好きな音楽を聴く時間を持つなど、心身が解きほぐれる時間を日常に取り入れると良いでしょう。

5.3.3 休息を意識的にとる

忙しい時ほど、短時間でもしっかりと休息を取ることが必要です。昼寝や軽いストレッチなど、意識的に休むことで自律神経の回復に役立ちます。

6. 自律神経失調症の予防のためにできること

自然の中でくつろいで自律神経を整える女性

6.1 ストレスを溜め込まない工夫

日々のストレスを無意識にためこんでしまうことは、自律神経のバランスを崩す大きな要因です。まずは自分がどんなことでストレスを感じやすいのか把握する習慣を持つことが予防の第一歩です。ストレスのサインに気づいたら、無理をせず、周囲と話す、趣味に没頭するなど、自分なりの発散方法を見つけましょう。

6.1.1 ストレス解消のヒント

方法 特徴
軽い運動(ウォーキングなど) 自律神経のリズム改善・気分転換
深呼吸や静かな音楽を聴く リラックス状態を作りやすい
読書や趣味の時間 心を落ち着かせ思考整理にも役立つ

6.2 生活習慣を整える意識

規則正しい生活リズムは、自律神経の安定に直結します。毎朝同じ時間に起き、夜は早めに休むことを心がけてください。また、バランスのよい食事や、就寝前のスマートフォンやパソコンなどブルーライトを避けることも大切です。

生活習慣 ポイント
睡眠 7時間前後、一定の時間で就寝・起床
食事 朝・昼・夜を抜かない。たんぱく質や旬の野菜を意識
入浴 シャワーで済まさず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる

6.3 定期的な休息とリフレッシュ

頑張りすぎは自律神経失調症のリスクにつながります。計画的に休息をとり、休みの日は自然の中を散歩したり、旅行や温泉など日常とは違う環境で過ごすことで、心身ともにリセットできます。

また、短時間でも意識的に深呼吸をする、好きな音楽に耳を傾けるなど、定期的にリラックスタイムを設けることも予防に役立ちます。

7. まとめ

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで多様な症状が現れる疾患です。生活習慣の改善やストレスマネジメント、適切な医療機関の受診が重要です。症状が続く場合は、早めに心療内科や内科などで相談しましょう。

和歌山の自律神経専門鍼灸院矢野鍼灸整骨院では自律神経を整える専門の鍼灸で自律神経を4か月で整えて、不調やお悩みを解決します。

矢野鍼灸整骨院の鍼灸は、てい鍼という痛みゼロの鍼と、熱さの調節できるお灸で初めての方でも安心して受けていただけます。

自律神経の不調でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご予約・ご相談は↓のバナーをタップして、LINE、メール、お電話でご連絡ください。

矢野鍼灸整骨院お問い合わせバナー

参考サイト

足立心のクリニック梅島 自律神経失調症とは

tel:073-455-5805

メールでのお問い合わせはこちら

矢野鍼灸整骨院

〒640-8425
和歌山県和歌山市松江北5丁目10-7
南海電鉄加太線中松江駅より徒歩5分 駐車場6台

完全予約制

【営業時間】

平日
9:00~12:00 / 14:30~20:30(最終受付19時50分)

土曜日
8:30~16:30(最終受付15時50分)

【定休日】

火曜日・日曜・祝日

LINE予約

LINE予約

ご予約・お問い合わせは今すぐこちらから!

tel:073-455-5805

【営業時間】
平日 9:00~12:00 / 14:30~20:30(最終受付19時50分)
土曜日 8:30~16:30(最終受付15時50分)
【定休日】
火曜日・日曜・祝日

ご予約・お問い合わせは今すぐこちらから!

073-455-5805

【営業時間】
平日 9:00~12:00 / 14:30~20:30(最終受付19時50分)
土曜日 8:30~16:30(最終受付15時50分)
【定休日】
火曜日・日曜・祝日

電話をかける

LINE予約